| Vol.15「もう少し知っておくべきアイヌの話」 3月17日(金)は、長谷川由希さん、居壁太さん他、レラの会の皆様にアイヌ文化についてのお話をしていただきました。アイヌ民族の歴史や衣服のこと、独特なアイヌ言葉など、いままで知らなかった事ばかり。 そしてムックリ(口琴)、トンコリ演奏、車座になっての唱、踊りなどを披露していただき、心暖まる一夜になりました。 BeGood Cafe Vol.15は、共存のご協力をいただきました。 また多くの方々にサポートいただきました。ありがとうございます。 ●
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長谷川由希(以下長谷川):もともとアイヌ民族は、北海道・サハリン・東北に住んでいたと言われています。現在では、北海道を中心に、全国各地におよそ2700人いるという調査結果がでています。でも、自分がアイヌであるということを隠している人が沢山いるので、これははっきりした数字とは言えません。シキタ純(以下シキタ):私は、東京生まれの東京育ちで、アイヌに関する情報というのは、これまでほとんど入って来なかったのですが、アイヌの文化や生活についても少しお話して頂けますか。 長谷川:じゃあ、まず、衣装について。 伝統的に、ルウンペという棒状の大きな布をパッチワークのように縫い合わせて作る形と、 チンジリ ―日本語の「縮み」から来たのではないかと言われていますが― という基本的に糸刺繍だけの着物、カパラミという一枚の大きな白い布を切り抜き縫い付けて作るモノの三つがあります。 マタンプ(シ)と呼ばれている鉢巻には、フクロウを表しているといわれている模様など、様々な模様が付いています。 アイヌ語にも地方差がありますが、着物にもそういった違いがあって、今日ここに持って来たのは浦河地方のものです。 あと、布が日本人との貿易の中でしか手に入らなかったので、昔はイラクサや木の皮を剥いで使っていました。
シキタ:アイヌ語についても教えて頂けますか。 長谷川:はい。最近アイヌ語の勉強をしていて、生活の中で使えていけたらいいなあと思うものをいくつか選んでみました。 「エイワンケ ヤ?」(お元気ですか) 「ク イワンケ」(元気です) 考え方として、「エ」というのが「貴方」という意味で、「イワンケ」というのが「元気」ということになります。 「ヤ」というのは、問い掛けの時に使います。 で、「ク イワンケ」の方の「ク」は「私」を表して、「元気です」となります。 そういう風に考えて、「ク レヘ」は、「レヘ」が「名前」という意味なので、「私の名前」となります。 一番覚えてもらいたいのが、「イヤイライケレ」 (ありがとう)ですね。 他にも、「イランカラ(プ)テー」(こんにちは) 「イカタイ」(お久しぶりです) 「ソンノ ピ(リ)カ」 「ピ(リ)カ」っていうのは、「良い」とか「きれい」とか「すばらしい」とかいう形容詞です。 それで、「ソンノ」が「とても」とか「超」とか「すごい」とか、そういう風に覚えてもらって、生活の中で良いことがあったら、「ソンノ ピリカ」と言ってみてください。 次はちょっと、ナゾナゾをやってみたいんですけど、分かった人は答えてください。 「キムン カムイ」(山の神)は、何でしょう? はい、「熊」です。 山の中に住んでいて、大切な食料源であった熊を「山の神」と呼んでいました。 「カムイ」というのは、「アイヌ」(人間)に対する言葉で、単に神様という意味ではなくて、自然現象であるとか動物であるとか、人間以外の大切なものに使う言葉です。 次に、「コタンコ(ロ) カムイ」(村を見守る神)? はい、「フクロウ」です。 フクロウは、夜も寝ないで、村を見守ってくれています。 「レプン カムイ」(沖の神)? 「シャチ」です。 「シ(リ)コ(ロ) カムイ」(大地の神)は? 動物ではなくて......大地に根を張っているのは? はい、「木」です。 「ウポポ ケタ」(踊る星)? ちょっと難しいんですけど、アイヌの女性たちが輪になって唱う座り歌というのがあるんですね。 ヒントは、そうして唱ったり踊ったりするアイヌが、七人ということで...... はい、「北斗七星」です。 今度は、海に移って「フンペ エト(ロ)」(鯨の鼻水)? 鯨の鼻水のようなものが、海に浮いているのを皆さんも見たことがありますよね。 はい、「クラゲ」です。 今度は、夏によくいるもので「エトゥタンネ」(鼻の長いもの)? 厄介者です。 「蚊」です。 今度は、北海道でよく見られる現象で「クルッペ イメル」(霜の稲妻)? 私は見たことないんですけど、とてもきれいだそうです。 「ダイアモンドダスト」です。 次に身近なアイヌ語を挙げてみます。 「ノンノ」というのは、雑誌でもありますけど、アイヌ語では「花」という意味です。 それから、「ラッコ」・「トナカイ」・「シシャモ」などもアイヌ語です。 女の子二人で歌ってる「キロロ」も、「大きな力」という意味のアイヌ語です。 次に、日本語とよく似ているアイヌ語、語源が日本語かアイヌ語か、はっきりとわからないものです。 「シッポ」というのは、「塩」のことです。 「ポネ」というアイヌ語は、「骨」という意味です。 「コンブ」というのも、日本語と同じ意味ですね。 それから、「カムイ」というのも、日本語の「神」というのと似ていますよね。 次に、「パスイ」というのが「箸」の意味なんですけど、ちょっと日本語の発音に似ていて...... アイヌも伝統的にお箸を使ってきました。 あと、北海道の地名はアイヌ語から来ているものが多いです。 なぜかっていうと、元々アイヌが住んでいたんだから、とうぜんですよね。 例えば、「札幌」はアイヌ語で「サッポロペッ」と言いますが、「サ」っていうのが「乾いた」、「ポロ」が「大きな」、「ペ」が「川」という意味で、「乾いた大きな川」というのが地名の語源です。 特に多いのが、「ペ」(川)、「ナイ」(沢)という言葉で、稚内とかよく使われていますね。 シキタ: 今、アイヌの人達がおかれている現状とか、問題についてもお話して頂けます? 長谷川:私は、特に差別のひどいと言われている北海道に住んでいるわけではないので、あまり実感がないままに話をするというのは気が引けてしまうんですが、やはりよく言われるのは、就職の時や結婚の時、「アイヌであるから」ということで、差別を受けるということです。 そうした環境の中で、自分がアイヌであることを隠して、生きている人はたくさんいます。 私のように、自分がアイヌであるということを伝えて、皆さんの前でお話するというようなことは、かなり特異なことだと思います。 むしろ、東京の方が、「アイヌ」という言葉を抵抗なくしゃべれて、皆さんに固定観念がないだけ、自然でいられるような気がしています。 ![]() ●
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